人手不足には社員の力量保証

多くの企業で人材不足が大きな問題となり、人事が採用と人材の定着に頭を抱えるのが今のご時世。そんな中、当面の凌ぎとして派遣社員の活用や外国人研修生を活用するのが当たり前のこととなってきました。company_black_koujou_foreignしかしここで問題視されるようになってきたのが、「業務に当たらせる人員は、それをするにふさわしい力量を本当に持っているのか」という力量保証です。当たり前のことですが、未経験なのはもとより異なる言語圏の人材をいきなり製造業の現場に入れてベテランの職人と同水準の品質の製品を作らせることなどできません。今回はこうした問題に焦点を当て、力量保証の仕組みについてお話いたします。

machine_herashibori_man中小企業の品質管理体制の実態は、職人がこれまでに培った経験と価値観を基に、徐々に作業上で品質を作り込んでいく成果・結果への管理、「バラツキへの対応」による品質管理が主流です。それを当てにできなくなったとき、どうすればよいのでしょうか。ここで明らかになる課題が「業務を行なうのに必要とされる、知識、経験、技量の明確化」です。ISO9001の規格要求でも求められているこの要件、ISOの認証を取得されている企業様であればすでにされていることと思いますが、そういった企業様こそ今一度ご確認をお勧めします。job_yousetsu普段職人たちがしている仕事の要点はどこなのか。業務遂行に必要となる要素の見極めはかなり高度なコンセプチュアルスキルが要求されるもの。工場長や社長クラスの方が自らこれをしなければ、殆ど形だけのものにしかならないかもしれません。そしてここで絶対にしてはいけないのが「経験○年以上」と経過年数を条件にしてしまうこと。すれば必ず仕組みが破綻します。

業務遂行に必要となる要素が箇条書きの形くらいに明確化されれば、力量保証システムの構築はほぼ終わったも同然。document_data_bunsekiあとはそれに基づき、要求力量と一体になった力量評価表やスキルマップの書式を整えましょう。力量評価表やスキルマップの作成時、各項目にナンバリングをかけておくのもお忘れなく。運用上、教育計画や教育記録との紐づけが容易になり、管理と証明がしやすくなります。

ここまで力説しておいて今さら身もふたもないですが、極論を言うと人員の入れ替えがほとんど生じない中小企業では、力量保証の仕組みは「見える化」や「動機付け」くらいまでの効果しか期待できないことになるのも少なくないでしょう。job_genba_kantokuしかしながら手を打たねば確実に劣化悪化していく、人にまつわる課題に対して早期から「しっかりやっている」ことは大きな価値となります。海外への生産拠点移転が流行った一方、今新たな動きとして国内生産の価値の見直しが出てきているのです。真面目で勉強熱心、かつモラルの高い日本人でなければ、今のものつくりに対する品質要求に応えながら利益を上げるのは難しいのです。他社が旧態に胡坐をかいている内にこそ、昔と変わらぬ、あるいはそれ以上の仕事ができる体制を整えていきましょう。

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