それってほんとにエコロジー?

そもそもエコロジーとは?

「エコロジー」という言葉の中には次のような内容が含まれます。

・環境への負荷を減らすためのものとして ・自然保護に関わる活動として
①従来の公害源であった部分の改良 ①自然に親しむ活動をする
②二酸化炭素の排出削減 ②野外の廃棄物やゴミを片付ける
③燃料や電気の素材の使用 ・環境浄化の作業をする
④再利用された素材の使用 ③自然の再生や多様性の増加を目指す
作業をする
⑤再利用しやすい構造の採用 ④希少な自然を守る
⑥太陽熱・太陽光や風力などの自然エネルギー
の利用促進
⑦水質浄化や有害物質の除去
⑧その他、なんらかの意味で健康に良好

 
エコ活動は本来上記の項目に沿って行なわれるものですが、最近は間違いを指摘される活動も少なくないようです。

-さて、そこで問題です。-

地球温暖化防止のため、身近な事から簡単に始められるエコ活動がこの頃数多く紹介されていますが、次のうち、一番効果があるとされている活動はどれでしょう?

1、買い物をした時にレジ袋をもらわない
2、空き缶をリサイクルする
3、割り箸を使わない

答え…2、空き缶をリサイクルする

割り箸は日本製(最近見ませんが・・・)の物なら使っても問題はなく、エコバッグはあまり意味をなさないとの意見が多く聞かれます。しかし、たとえ地球温暖化防止に直接は関係なかったとしても、「使い捨てしない」「必要ない物はもらわない」という気持ちこそが本当の『エコロジー』なのではないでしょうか。限り有る資源、大切に使いましょう。

エコ活動としてよく耳にするのが『リサイクル』。一番身近な事例はゴミを棄てる時にそれぞれ分別する事ですが、物によってはリサイクルすべきか物議を醸しています。「古紙」は、インクやコーティング材を剥離するのに石油や強力な薬品を必要とし、返って資源とコストを使うのでリサイクルを疑問視されています。また、回収率に比べリサイクル率がだいぶ不透明な「ペットボトル」は、 “高分子”と呼ばれる物質なので高温で焼けば二酸化炭素と水しか残らず、また酸素を多く含んでいるので他のゴミと一緒に燃やせば燃焼材の役割を果たし、分別せずにそのまま燃えるゴミとして出すべきではないかとも言われています(「白いトレー」も同様)。

ちなみにこの高分子物質、少し前までは低温(400℃~500℃程度)で燃やすとダイオキシンが発生して有害と言われていましたが、最近はダイオキシン自体が無害という事がわかってきたようです(同じく高分子物質の肉を低温で焼く職業 “焼き鳥屋”さんが健康な事も、無害という理由の一つです)。

同じ容器でも、「アルミ缶」はリサイクルを推奨されています。アルミ缶は、日本にはない材料・ボーキサイトを大量の電気と共に加工して作られますが、リサイクルする時はとても少ない電気量ですむためです。スチール缶と区別がつきにくいですが、リサイクル場で磁石を用いて簡単に区分けができるので、混ざってしまっても問題ないそうです。

エコマーク

元々割り箸は、間伐材や四角い材木を切り出す際に出る端材などで作られていましたが、木を切る→森林破壊との誤解から日本で作るのを禁止され、外国から仕入れるようになりました。

外国製の割り箸は直接木を切って作るため、本当の森林破壊が始まってしまったとの意見もあります。

割りばしの木

最近は有料化する所も出てきた「レジ袋」。原料が石油という事で減らしていく傾向にありますが、これにはいくつか誤解があります。石油でプラスチックやゴムを作り始めた20世紀初頭、それらを生成するのに必要とされない成分(オレフィン等)は使い道がないため廃棄処分され、40年ほど前まではそれを燃やしていたために石油コンビナートからはいつも黒煙が出ていました。

しかし化学の進歩のおかげでそれらの成分も使えるようになり、 “ポリエチレン(レジ袋等)” “瓶ビールのケース” “車のバンパー” 等が作られ始めました。 無価値だった物を活用し、黒煙も吐かなくなったので、レジ袋はタダでもらえるようになりました。つまり、レジ袋は石油で他の物を作った余りの成分でできているので、やめても石油を使う事への歯止めにはならず、返ってそれらをまた燃やすか棄てるかしなければならなくなってしまうのです。

代わりに浸透し始めている “エコバッグ” も、家電などに使われる良質なプラスチックと同じ成分(BTX成分)を使った繊維で作られているので、レジ袋をやめるとさらに棄てる成分が増えてしまうといわれています。

大気