【タレパン】試作向け?ニブリング加工のメリットとデメリット

別名「追い抜き加工」とも呼ばれるこの加工は、ピアス位置を重ねてショットしていくことで任意の形に金属板を打ち抜くものです。四角形の金属板もこの加工を行なえば、希望の外径で円盤プレートが取れたり、ぴったりな加工金型が無くてもスリットや丸穴を施したりすることができるのです。

ニブリング加工を行う際、弊社では使用可能な最小金型をφ6とし、それを使って円盤状に打ち抜いた場合の最小径はφ24ほどとなります。使用金型と加工後の直径は4倍の関係になっているのです。また、加工面やバリに配慮するために、ピッチを工夫する必要があります。式は、ステンレスですと、[適正加工ピッチ]≧板厚×2 です。

さて、このニブリング加工で最も注意すべき点はどこかと申しますと、「バリ」です。ニブリングはその加工方法の特性上、打ち抜き後の断面がかなり凸凹しており(画像参照)、バリもかなり立ちやすいものとなっています。ショットするときにピッチ分わずかにズラして徐々に打ち抜いていくため、パンチ金型がわずかに逃げることもありダイ金型と併せて摩耗しやすいのです。

コスト面では、タレパンの金型は上下セットで3万円から、特殊形状で9万円ほどしますし、摩耗を考えると再研磨費用のことも考慮しなくてはなりませんね。つまり、凸凹を回避すべく希望径の金型に初期投資したとしても回収はなかなか難しいのです。「試作だから必要なのは数枚だけなんだよなぁ…」といった際には、少々バリの削り作業は必要になってしまいますが、ニブリング加工にて製作するのがコスト的におすすめと言えるでしょう。

円盤プレートやテーパー形状、配管穴隠し用、鋼板の一部に模様として、などなど。さまざまな用途に活用できるニブリング加工について今回ご紹介いたしました。さらに、弊社は板巻きパイプを専門としていますから、プレートに合わせたパイプを製作したり、そのまま組み付け溶接まで行うことも可能です。弊社内で完結できますので、短納期にも適しております。ご入用の際はハラサワまでぜひお声がけください。