プリウスに価格で対抗するホンダ『インサイト』

2008年の新車販売市場は、300万台の大台を割る約289万台という結果だった。そんな中で久しぶりに明るい話題を振りまく事となった車がホンダ「インサイト」だ。それにより世間では「インサイトVSプリウス」でとりわけ価格競争の部分ばかりが話題になっている。

●インサイトとプリウス、ハイブリッドシステムの違い
インサイトとプリウスは同じハイブリッドカーと言ってもシステム構成が大きく異なる。インサイトはエンジンと電気モーターのふたつの動力源が並行して駆動する『パラレル方式』を採用。エンジンの足りない力をモーターがアシストするというコンセプトで作られており、主役はエンジンとなる。
一方プリウスは、動力分割機構を搭載する『スプリット方式』を採用。これはエンジンとモーターの動力を状況に応じて柔軟に切り替え、組み合わせて利用し、発電量と駆動力をより効率よく駆動するものである。主役はエンジンとモーターの両方だが、稼動時間でみればモーターの方がより積極的に使われる。

●なぜインサイトが予想以上の売り上げを記録したのか?
その原因の一つは価格帯にあると思われる。インサイトは最低価格が189万円と、低価格を売りに受注を伸ばしている。前モデルのプリウスの価格は233万円。が、現在の205万円にする事でインサイトとの価格差は約15万円。

●あなたはどちら派?
インサイトは安いハイブリッドカーを提供する事が使命であった為、燃費は30km/Lでしかない。それに比べ新型プリウスは38km/Lと、その差は大きい。実際に試乗してみた人の話によると、インサイトは足回りが軽く、とても軽快。それに比べ、プリウスは床下の重さがどっしりとした走りになっており、軽快さはない。車の性格もインサイトとプリウスだと狙う所が違うのだ。

新旧プリウスVSインサイトの対決で、ハイブリッドカーは一気に身近な存在になってきた。