メタルレポート vol.2

株式会社ハラサワの得意技、「金属板を丸めて、パイプにする」こと。
しかし、一口に金属といっても特性や価格は本当に様々で、使用する用途により最適な材質はそれぞれ異なります。
ここでは、弊社で特によく使う金属をご紹介していきます。第二回目は「普通鋼(炭素鋼)」です。

普通鋼(炭素鋼)とは?
鉄鋼業界で最も一般的な鋼種が普通鋼(炭素鋼)。熱処理、および炭素やケイ素などの元素の添加量によって、鋼材の強さ、硬さ、性質を自由に調節できる非常に汎用的な鋼種です。炭素の含有率が少ないほど柔らかく、多いと硬くなり”鉄<鋼<鋳物”の順で炭素含有率が高くなります。

普通鋼(炭素鋼)の種類
普通鋼(炭素鋼)の内、板金加工の素材として用いられる冷間圧延鋼板の一種がSPCCと呼ばれるものです。ハラサワで取り扱っている普通鋼はこのSPCCが大半で、 JIS規格上t0.4~t3.2までのものと規定されており、市場ではその加工性と価格が強みとされています。
SPCC材は特性比較的加工しやすい材料を生かし、外観部品や機能部品まで幅広く利用されています。同様の冷間圧延鋼板の一種SPCEをプレス加工品の素材として扱うことがあります。SPCEは展性に優れ、深絞り加工などに向いた鋼材です。
SPCCは冷蔵庫の外板及び部品、電装部品や配電盤等簡単な絞り加工が可能なものに比べ、SPCEは深絞り用に用いられ、自動車の外板、ボンネット、ドア等の部品などに使用されます。

種類の記号 摘要
SPCC 一般用
SPCD 絞り用
SPCE 深絞り用
SPCF 非時効性深絞り用
SPCG 非時効性超深絞り用

 

表面仕上げの区分としては、『ダル仕上げ』と『ブライト仕上げ』があり、

  • ダル仕上げ→物理的又は化学的に表面を粗くしたロールでつや消し
    仕上げしたもの。
  • ブライト仕上げ→滑らかに仕上げたロールで平滑仕上げしたもの。

に分けられます。一般的に良く使われるのは標準調質、ダル仕上げです。
また、SS400という鋼材もありますが、一般構造用圧延鋼材でSPCCと同じく値段の安い材料です。SPCCは曲げ加工に適していますが、SS400という材料は一般的には曲げ加工はしません。加工歪がでにくく、加工時の反り対策にはおすすめです。