大掃除や大規模メンテ時こそ人材育成のチャンス

連休前後にされることの多い工場や設備の大掃除や大規模メンテ。御社でも年末年始にかけて業者や資材の手配を進めていたのではないでしょうか。設備トラブルを未然に防ぐ取り組みとしてされるこの機会は上手くすれば恰好の人材育成の機会となります。今回の記事は人材育成の機会として使う大掃除や大規模メンテのご提案です。

例えば点検やメンテナンス。ラインや工場単位で稼働が止まる分、普段目を向けられない、手をかけられない部分にも時間をかけてすることができ、それを新人に因果関係のある不具合や設備トラブル、過去トラと結びつけながら「なぜするのか」「過去何があったのか」「その時何をしたのか」を異常発生時の対応方法も含めてしっかりレクチャーできます。またはこの時設備の「本来あるべき正常な姿」をレクチャーし、目に焼き付けることで異常発生時の検知力を養うことができるでしょう。異常は「普段もしくは正常時、どのようであるか」を知っていなければ検知できないのですから。そして「なぜ異常が発生しているのか」の因果をレクチャーすることは、異常に対して場当たり的な対応をしてしまい予期せぬ大事故を起こす予防策となるはずですから。

あるいは工場レイアウト、ラインレイアウト、作業動線、物流動線に対する示唆をするのもいいでしょう。普段自分が作業しているラインや作業場で物流導線と作業導線をイメージさせ、どこに何があったらもっと効率的なのかを空箱や廃棄NG品など実際に取り廻させてみて考えさせ、実際に作業ラインのレイアウトを変えさせてみたらいいのです。それは成功か失敗かに関わらず、大きな経験値となるはず。

スキルは反復によって強化されます。だからこそ人材育成には機会の提供が重要となりますが、工場や設備の大掃除や大規模メンテという希少な機会を単なる年間行事で済ませてしまうのは勿体ないではありませんか。ついぞ、さるバネメーカーでも爆発事故が起きましたが公開情報で原因を見る限り、大掃除や大規模メンテで防げたかもしれないのです。