「新卒採用の効果的な運用」vol.2

企業の将来を担う新入社員たち。彼らに早い段階から『常に考えながら仕事を行なうこと』をさせることがひいては彼らを自律的な社員へと成長させ、大きな成果を生むというお話を前回いたしました。今回はその続編となります。

今回の舞台は展示会出展プロジェクト。無事に成功を収めた昨年の展示会も、新入社員たちが中心となって企画・運営したもの。チームは入社2年目の若手社員をリーダー(Webサイトリニューアルの担当者と同期)に、若手社員たちで編成されていました。

指導なくして育成とは呼ばない

プロジェクトを任されたメンバーは、まず示された成果目標に向けて与えられたWBSの大項目を細分化することになります。ベテランのビジネスマンから見れば、これを非常に馬鹿馬鹿しい作業に感じるでしょう。「成果さえ得られれば、過程など問わない。その方が部下たちの創造性を育むのだ」と、優れた方ほど指示・指導を疎かにします。ですが大抵上手くいきません。そして新入社員は「馬鹿か!使えない奴め」と面罵され、心挫かれていくのです。彼らは未熟ゆえに目標を達成するための構成要素となる成果物や作業を知りませんし、知らないからわかりません。そうでない人材も中にはいるでしょうが、それはおよそ中小企業が得られる人材ではありません。

ハラサワではWBSの使い方をレクチャーする体裁で、指導担当が新入社員と一緒になって分解作業を行ないます。大項目がどのように設定されていようと項目を作業に分解。それもできるだけ細かく、です。ベテラン社員にとって備忘録でしかないWBSも、こうすることで新入社員にとっては作業自体が指導と作業指示になります。若手たちはWBSで構成要素の分解とその実現方法を学び、チャート作成でプロジェクトのスケジュールや各作業の相互関係を学ぶ。そしてプロジェクトの運営を通して作業分担や進捗管理、マネジメントの基礎を体験の中で学ぶのです。任せることは重要ですが、丸投げするわけではありません。考える仕事をさせるにも初期段階では思考の導線を引いてやることが重要だと私たちは考えています。なぜできないのか、わからないのか。それを理解することも新卒採用の効果的な運用には必要なのではないでしょうか。

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