営業に使える!心をつかむ会話術

みなさんは営業トークをどのようにされていますか。いざ話を始めてみても相手をなかなかその気にさせられず、上手くいかなかった場合も少なくないと思います。そこで有効なのが、会話で相手の動揺を誘う手法です。今回は相手の心の隙を突く会話術をご紹介します。

●ヒアリングで情報を引き出す
まず最初は相手の情報を引き出しましょう。営業というともちろん契約を取ってくるのが仕事ですが、事を急いてはいけません。「すぐに契約を」と意識してしまうと逆に上手くいかないことが多いのです。最初は次の訪問時に持っていく材料を引き出すことに集中しましょう。
最初に「少しお話を聞かせてくれませんか」と聞く姿勢でアプローチします。その後で現状の質問をします。「今これはどうしていますか」、「不便なことはありませんか」と、問題点を聞き出して下さい。最初の訪問はこれだけで結構です。2回目の訪問時はこの時に出た話や業界の話を元に雑談をします。これで相手の心は警戒心が薄らいできます。そして3回目の訪問時でようやく本題に入ります。この方法なら警戒心から門前払いされることもなく、遠回りのようで効率的です。

口下手で「雑談の内容が見つからない」という方もいると思いますが、身構える必要はありません。目に入ってくるもの、窓から見えるもの、会社の体制など何でもよいのです。それでも話題がなければ相手をよく観察しましょう。身につけているもの、髪形や文房具など話題にするものはあるはずです。お客様がモノを買ったときは必ず理由があります。その理由を聞き出せれば裏側にあるニーズが見えてくるため、本当のニーズにあった提案が出来るようになります。
「なぜの視点」で本音を聞き出しましょう。

●聞く技術をマスターし、心をつかむ
交渉で必要なのは話すことだけではありません。聞くことも重要です。上手く聞くことが出来れば、信頼や新たな情報得ることが出来ます。

・三つの「感」で心を開く
最初に会っただけではすぐには心を開いてはくれません。そこで重要になるのが好感、有能感、自己重要感です。好感を持ってもらうためには「会うのを楽しみにしておりました」と、 こちらから好感を示します。有能感を持ってもらうためには、「さすが○○様ですね。◇◇のプロですね」と 会話の中に入れていきます。やはり人は褒められればうれしいものです。 そして自己重要感は「あなたは大切なお客様です。どんな不満でもお話しください」と特別な存在であることを伝えます。この三つに共通することは「相手を持ち上げる」ということ。持ち上げられて嬉しくない人はいません。相手に気分良くなってもらえば、話もしてもらいやすくなります。

・どんな場面でも通用する「そうですね」
「そうですね」という言葉は様々な場面で使うことが出来ます。この言葉は相手の発言を受け入れ、肯定する意味合いを持ちます。このことを心理学では社会的正当化といい、「受け入れてもらえる」という安心感を与えるのです。
例)相手「私はこれについてはこう思うのだが」
自分「そうですね。その考えは私も良いと思います」

・「相づち」で心をつかむ
聞く技術の中で最も基本的な技術は「相づち」です。鋭い質問などいらず、 相づちを打つことで信頼を得ることが出来ます。相づちを打つときは 「前半は小さく、後半は大きく」、「なるべくたくさん大きく打つ」のがコツ。 こうすることで相手は「自分の話に食い込んできている」と思い、印象が良くなります。逆に「だんだん小さく」相づちを打ってしまうと印象は大きく悪くなります。注意しましょう。

●最も相手を揺さぶるのは恐怖
最後に交渉が大詰めになり、相手を自分の優位な方向に導きたいと思ったときに有効なものがあります。それは「恐怖」です。人が行動を起こす最も大きな要因は恐怖で、「勉強しなければまずいのではないか」、「これをしなければ嫌われるのではないか」という心理が人を動かしているのです。これは交渉でも有効なことであり、「この提案をうけなければもうけられない」、「この方向で仕事をしないと大変なことになる」と恐怖をあおるのです。
特に「これに今困っている」というお客様の声に、「でしたらこれを使ってください。そうでないと大変なことになりますよ」と、悩みをベースに恐怖をあおるとより効果的です。ビジネスの交渉の場で、誠意や論理だけで人を動かすことはできません。恐怖を要所要所で取り入れて交渉をしてよいのです。これで人を動かし、クロージングに誘導します。「AとBどちらがよろしいですか」とクロージングをせまり、まだ迷うようなら「私ならこちらを選びます」というようにすれば、交渉は完了します。

営業は一筋縄ではいきません。様々なテクニックを使う必要があります。 この記事のテクニックを使わなければ、営業成績はどんどん下がるかもしれません。そうなりたくなければ、営業に取り入れることです。