数字が仕事の武器になる

・仕事に数字を使う
提案図1「過去3年のデータより、売上平均単価は¥2,020であることがわかりました。このことから、この近辺の価格に該当する製品が当社にとって最も売れる製品であり、営業部はここの売り込みを強化すれば成果を上げやすく、製造部はここの原価低減を重点的に行えば利益率が向上すると予想されます。」

「つきましては『2020』を今年度の重点指標と定め、全社一丸となって…」

図2「おいおい、ちょっと待ってくれ…。売上平均単価を割り出した時に、ばらつきや偏りを確認したかい?平均の売上単価が最も売れる製品の価格帯という解釈をするのは、必ずしも正しいとは限らないぞ?」
「…???」

・その数字をどう使う?
さて、この会話。みなさんは他人事として笑って見ていられましたか。今回紹介する書籍は深沢真太郎氏の『数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うってこういうことです。』です。

「勉強なんて社会に出てから何の役に立つの?」とか「いい大学を出たからって、仕事ができるわけじゃないでしょ!」という決まり文句のもとに、数字や学問を仕事へ活用することを蔑ろにしている方は少なくありませんが、本書はこうした方々向けに「仕事で使う数字」について、非常に簡単かつ実践的な説明・紹介をした一冊です。

例えば冒頭の二人の会話。書の中で扱われている題材を少々脚色したものですが、つまりこういうことを言っています。下に示した図は、購買件数16件の場合で商品がどのような売れ方をしたかについて極端な形で表現したものですが、平均値はA,B,Cすべてのパターンで「\2,020」となります。さて、仮に販売実績の実態がBパターンに近い場合、「\2,020」の製品が最も売れると判断するのは適切と言えるのでしょうか。

ヒストグラム

このような「平均」や「過去データとの比較」、「%」など、当たり前で身近だけれどよく誤解されている「仕事で使う数字」のことが、本来どういう意味を持っていて、それを実際の仕事の中でどういう風に算出し、どう評価して仕事に活かせばいいのかを説明・紹介をした本書。ご自身では十分理解・活用されている方でも、部下や後輩の指導に手を焼いている方はいらっしゃるはず。そうした場合でもかなり役立つ一冊です。