局地戦に活路を見出せ!中小企業のWeb戦略

大手のマネは無意味
中小企業が経営の改善を目指して大手企業の手法を模倣することがありますが、多くの場合はうまくいかないものです。それは企業によって組織の強みと弱みが異なり、これによりとるべき戦略も大きく異なるからです。本稿では弊社のサイトリニューアルに因み、中小企業ならではWebサイト活用についてお話したいと思います。もし、自社のWebサイトがいまいち役に立っている気がしないとお思いであればぜひ、ご一読ください。


弱者の戦略
商取引は弱肉強食。中小企業が大手企業と同じ舞台で同じように戦えば敗北は必至です。しかしこの「小が大に対する」という条件にあっても異なる結果を残した注目すべき例があります。ベトナム戦争です。寡勢のベトナム軍は多勢のアメリカ軍に対し、ゲリラ戦によって多大な被害を与えました。こうした「寡勢をもって多勢を征す戦略」をランチェスターの法則を使ってご説明します。

①     戦闘局面を絞る(敵が数の強さを発揮できない場面で戦う)

②     武器効率を上げる(より強い武器、より質の高い兵で戦う)

テルモピュライの戦いこの2つがランチェスターの法則の活用法として弱者が強者に勝つ方法に挙げられています。例え相手が多勢であっても、それが上手く機能しない場面で戦えば数の優位性を覆すことが可能です。同じくより高い効果を発揮する武器を使えば、より多くの敵を打ち倒すことができます。これをビジネスに置き換えて①をニッチな市場での事業展開、②はより深くニーズを満たす商材や専門性の高い人材と解釈します。

つまり大手では採算の取れない狭い分野に事業を展開し、そこへ特化した商材やサービスを投入する。これが中小企業にとって最適の戦略なのです。


ワールドワイドウェブ上の局地戦
さて、みなさまは大手企業のWebサイトをご覧になってどのように思われたでしょうか。清潔感のある美しいデザインは多くの人が好感を抱くはずですし、非常に優れたWebサイトであると評価したくなるはずです。大手企業は大手企業であるがゆえに様々な閲覧者からのアクセスを受けます。だからこそ誰に見られてもいいような八方美人のWebサイトにしているのです。しかし自社のWebサイトをそれに倣って作ることが、必ずしも戦略的に優れているとは言えません。

少しお考えください。御社のWebサイトはいったい誰が見に来ているものなのでしょうか。中小企業のWebサイトはその多くがごく限られた閲覧者しか利用しないものだと言えます。弊社の例を証拠に挙げれば、アクセス解析の結果、閲覧者の99%が何がしかの形で前もって弊社のことを知っている方でした。このことから中小企業のWebサイトは特定の閲覧者を対象とした作りをすれば十分なことがわかります。つまり、いっそ見に来るかどうかも分からない不特定多数は潔く見切りをつけ、御社のファンだけのためのサイトを目指してサイトを作る方が効果的だと言えます。

ランチェスターの法則に倣い、局地戦での戦いを目指すのです。「それでは多くの人を呼び込めない」という反論もあるでしょうが、そもそも多くの人を呼び込む努力など無駄でしかありません。それは大手企業の戦い方であり、中小企業が同じ戦い方をしては勝ち目などないのです。

極論を言えば、その他大勢などには目もくれずにご贔屓くださるお得意様方だけを狙い、一部の人が泣いて喜ぶサイトを作る。これが中小企業の理想のWeb戦略なのです。


独自性に活路あり
いかがだったでしょうか。面の戦い方をする大手企業のビジネスモデルは飽くまで大手企業自身にとって最適の戦略であり、必ずしも模範とはなりません。自信を持って「オンリーワンがナンバーワン」を貫いてください。御社は御社の最強の舞台で、最強の武器をもって戦われるのが何より最良の戦略なのです。