-地方採用の旅・山形編-

「地域社会の濃密な人間関係が当たり前な若者たちは、中小企業での生活にも適合性が高いはず」。そんな仮説と、東北地方では北海道を含めてもなお求人が関東圏のおよそ9分の1しかない事実に採用の可能性を見出し、今回は山形文系私大とハローワークへの調査、取材を行なってみました。

まず調査で訪れたのは県内の文系私大。事前調査の結果に違わず、大学構内に張り出された仕事は地元の企業の求人より都心部のものの方が多数。ハローワークへの調査で確認できた求人でも県内の労働条件的には都内の賃金の7割程度もあれば優良企業という状態で、正社員でも時給制という条件も少なくありません。
「働きたい。働かねばならない。でも求人がない。あっても満足いくような条件とはかけ離れた仕事ばかり」。
そんな求職者たちの姿が目に浮かび、「ハラサワの求人がかなりの優位性を発揮できる」と期待はさらに膨らみましたが、就活中の若者やハローワークの職員に話を直接聞いてみるとイメージとは異なる実態、事情が分かってきました。

まず山形での進路は大学進学時点から分岐が始まります。若者の都会に対する憧れは強く、この時点で県内に残らざるを得ない、あるいは積極的に残りたいと考える人間以外県内にいなくなってしまうというかなり強力なフィルターが掛かるのです。
さらに県内に残った学生たちもその目は全くと言っていいほど製造業に向いていないようで、就職面接会での人気企業も都内であれば3K職場で不人気ぶりを博す介護職やサービス業がむしろ人気職種としてブースに人が列をなす有様。

僅かに残る優秀な学生たちは有名企業や地域の有力企業へ就職することがほとんど。中小企業に就職する場合でもコネ採用が非常に盛んなため、親子そろって同じ企業内に勤務なんてこともざら。県内の企業でさえこの繋がりを突破するのは至難で、縁もゆかりもない地域のまともな若手人材を得るのはほぼ不可能な状態なのです。わざわざ県外の中小企業に就職するパターンなどほとんどありません。

それでもなおあぶれる学生であればどうなのか。これについては「さもありなん」というべきか、母数が少ないものの実際接触できたその手の学生たちから感じたのは、聞いているとハラハラしてくるような自立心の薄さ。キャリアプランなど全く考えている様子がなく、非正規雇用や就職後の早期離職という選択肢を簡単に選んでしまう事実があります。ある意味、それでもやっていけてしまう過保護なまでの後ろ盾がここにはあるのです。
今回の調査もまた振るわぬ結果に終わりましたが、人手不足の危機は常にあるのです。そして解決の難しい課題にこそ差別化のチャンスがあります。採用と育成。どちらもハラサワと同クラスの企業であれば不得手な部分だけに、ここへ力を注ぐことの価値を強く感じるのです。